おはよう小鳥さん!
今日も元気ね・・。 彼女はカーテンを開け放つと、例えようもない愛くるしい笑顔でそう呟いた。 彼女は、柳原みわ。 その可憐な名を持つ少女は、クルクルお目めのかわいらしい人だった。 細くて背も小さく、女の私でも守ってあげたくなるようなはかなさがあった。
ああ。きっと彼女には、美の女神が微笑んでいるに違いない。私はそう思っていた。
ある日、向こうの方から、どでかいバイクがやってきた。 驚く事に、運転席に人影が見当たらない。 私は恐怖に身を硬くした。
おはよう、美樹ちゃん!聞き慣れた声がした。 よく見ると、運転席に小さい人がまたがっていた。 それは紛れも無く、はかないはずの彼女だった。
そしてまたある日、向こうの方からどでかい四駆の車がやってきた。 その車にも運転手は見当たらなかった。
おはようー!また声がした。 そしてよくみると、小さい彼女がハンドルを握っていた。 彼女は車を降りてこう言った。いやー、この前車ぶつけちゃって、 気合い入れる為にフリスク1ケース、一気食いしちゃった! あはははは!
ガラガラガラ。 何かが、私の中で音をたてて崩れていった。 そして、別のモノが積み上がりはじめた。 共に仕事での切磋琢磨をする中で知った、彼女の姿。 びっくりするほど似ている部分があった。 素晴らしい歌唱力と下ネタセンス。
柳原みわ。 約十年ぶりに再会した彼女は、あの頃と変わらず、パワー溢れるネェちゃんだった。
そして名前が変わっていた。星河舞。 名前だけは、可憐さが増していた。
再び同じ事務所で切磋琢磨しあえる今を、心から嬉しく思う。 また歌も一緒に歌いたいものだ。 私達の歌唱力は、既にオリジナルの域に達している気がする。 他の追随を許さない、彼女となら、そんなコンビが組める気がする。
星河舞。いい名だ。いい女だ。私は彼女が大好きだ。 これからも、末永くよろしくなのだ。
長沢美樹でした。 |