そして、ひとつもありません。
生まれは静岡県・静岡市なのですが、父の転勤が3年に1度ありました。
転勤のたびに「故郷」が増え、しかしそこにもう家は無いので、「故郷」が無くなっていきました。
現在、引っ越し総数11回。
しかも実家も今は、生まれた静岡には無く、自分の「故郷」というものがどこなのか分かりません。が、それでも一つだけ「心の故郷」だと思える場所がありました。
静岡のおじいちゃん・おばあちゃんの家です。
「相良(さがら)」という場所にあり、小さい頃は夏休み・冬休みは必ず訪れ、同い年のいとこと遊ぶのがとても楽しみでした。
というより、特に小学生の頃は「相良に行ける」ことを糧に、日々を生きているようなものでした。
おじいちゃんは魚屋を営んでいて、滞在中は毎日必ず豪勢なお刺身や焼き魚にありつけ、子供心にガンダーラ。
近くに大きな空き地もあり、サッカーや野球をして日が暮れるまで遊んでいました。
しかし数年前、区画整理のためその家が取り壊され、唯一の「心の故郷」も無くなってしまいました。
なんだか悲しい話かもしれませんが、しかし意外とそうでもなく。
故郷はなくても、引っ越した先々で常に「自分の居場所」を見つけてきました。常にアウェー。
その中でいかに自分の味を出し、仲間の輪に入っていくか。気付けば、それは幼稚園の時から僕に課せられた使命だったみたいですね。
そして幸せなことに、必ず「よそ者」の僕でも暖かく迎えてくれる友人達がいたのです。
そして、素敵な仲間達、先輩達、後輩達に恵まれ、今僕はここ「アトミックモンキー」にいます。
だからきっと、これでいいんです。
・・・と言いつつ、「故郷」に少〜し憧れる、小野友樹でした!