でも小学校はすでに地域の子供が少なく、全校生徒が300人もいなかったんです。
だからみんな顔見知りで、運動会などの全校行事はとても楽しかった思い出があります。
ある時、テレビを見ていたら小学生たちの『30人31脚』の番組が放送されていました。
と、そこに…母校が!
嬉しくなった次の瞬間、アナウンサーさんの衝撃のひとこと。
「学校はなくなっても、思い出は消えません!」
学校…なくなるの?
びっくりして画面を凝視していたら「廃校」という言葉が聞こえてきました。
思い出の場所がひとつ消えてしまうことを知った時、とても淋しい気持ちになりました。
新しいものが沢山生まれる街、東京。
その影で移り行くものもあるこの街。毎日変化している不思議な街が私の故郷です。
楽しかった思い出はなくさないようにしたいと、アナウンサーさんが子供達に送る声援に、ちょっと励まされた私でした。
折笠富美子