ミルク色の肌に薔薇の花を浮かべたような頬の色と、皆が褒めてくれるわ。
今日はドレスを新調するのよ。おもいっきり手の込んだ刺繍のそれはそれは美しいドレスよ。
そしてマカロンとケーキを沢山食べたいの。
でも最近、私達の贅沢が、国庫を圧迫しているとネッケル大臣から聞いたわ。
お母様にも叱られたし、少しは反省しなくちゃね。
国民の皆さんの事も勉強しなくちゃ。だって、パンがないって、とても困っているようなんですもの。
お菓子を食べれば良いのでは、と思ったけれど、そういう話しでもないんですって。
子供の頃に外国にお嫁に来て、故郷の物を全て捨てなくちゃならなくて、お母様とも会えず、好きな方とも結婚出来ずに、正直、寂しいし相当なストレスはたまっているけれど、贅沢に逃げてしまってはいけないのね。
恋をするのもダメね。だって私は人妻だもの。フェルゼンの事は諦めるわ。
錠前造りがお好きな、地味なご主人様だけど、彼一筋で、良い国が造れるように頑張っていくわ。
もし民衆が革命をおこしても、王政を守る為に、海外に助けを求めてはいけないのね。我慢するわ。
私はマリー。
長生きする方法とるのは、それはそれで結構しんどいわね。
と、思うかどうか、側近の一人になって聞いてみたい。
そしてマカロン一口貰いたい。
長沢美樹