失敗談を面白可笑しく書け。と言われて色々と考えてみたんですがこれが中々難しいですね。

笑えないやつか書くほどでもないやつしか思い出せないもんで。特に仕事が絡むとね。

まあそんな中で軽いのを一つ。

今年の夏前ですかね、アニサマ宣伝関係の番組の司会をやらせてもらったんですが、作家も昔からの知り合い（八木君ね）だし出演者も近江ちゃんとあーちゃんだし珍しく有志だけで打ち上げにいくことになったんです。

店名は特には伏せますが誰でも知ってる学生さんにも優しいチェーン居酒屋さんでなんだかんだ下らない下ネタで盛り上がってたところ、なにやらいい声で話しかける人が。

おお、アニソン界の小椋佳、唄うサラリーマンこと高橋秀幸さんfromProject.Rじゃないですか！

何を隠そう高橋さんとは同い年ということもあり、某内田稔ライブの打ち上げっていうか本番中の楽屋でも一緒にバービーボーイズをキョーコパートを変わりばんこに唄い合った仲なのです。

偶然出会うにしては都内でも割合いぶし銀なお土地柄、聞くと近くでライブがあったあとらしく、今から同じく打ち上げらしい。

へ〜珍しいこともあるもんだと思っていると、なんとその後ろから現れたのが和製ソロモン・バークこと宮内タカユキさん！

実は今日あったのは宮内さんのライブで、高橋君はバックでギターを弾いていたんですって。

じゃあ折角なんで、てことで合同飲み会みたいな感じになったんですが、相手はあの宮内さん、初めましてでなくても緊張しますわね。

でもね、宮内さん本当優しい人で、あれこれ向こうから話しかけてくれたりお酒注いでくれたり、僕も気持ちよくなっちゃって気がついたら二人でオックスのダンシング・セブンティーンを店内で熱唱してました（筒美京平が偉大だ、という話からいつの間にかﾉだと思う）。

そんなこんなで記憶がおぼろになるまで飲みに飲んで帰ったのは明け方。

軽い二日酔いに身をまかせながら次の日の仕事に向かいました。

ゲストは遠藤正明さん。

いやー昨日偶然宮内さんと飲みにいったんですよ。へえ、宮内さんいい人でしょ。ええ、後半凄いはしゃいで大変でしたよ。はしゃぐよねあの人、酒飲めないのに。

『？』。

一瞬のハテナマーク。

「知らなかったの？あの人一滴も飲めないんだよ、酒屋の息子のくせに」

え？ええ？ちょっと待って下さいじゃあ昨日のあんな熱い話もこんなバカなやり取りも全部素面だったと。

「有名だよ」

「知りませんよ！」

すぐに失礼のお詫びをと思いメールしたところ、

「いやあ、僕は２４時間酔っ払ってるようなもんだからねえ」と。

とんでもありません。若造のバカ話知ったか話にニコニコとつき合って頂いて、ありがとうございます。

失敗談というかほとんど宮内さんの美談ですね。

でも一緒に飲んでたこっちのスタッフも誰も宮内さんが下戸だって気づかなかったくらいですからね。

聖なるヨッパライシンガー近江ちゃんが失礼な事しなくてよかった。とほっと胸を撫で下ろしましたとさ。

鷲崎健