前回の有世さんから、やっちまったバトンを引き継がせて頂きます、小野友樹です。
あれは小学校6年生の時です。
ミニ四駆が空前の大ブームだったあの頃、僕もミニ四駆にドはまりしていました。
近所の「おもちゃのミッキー」の軒下にある小さなコースを、学校が終わると毎日走らせていたものです。
ある時、僕の愛機「ビクトリーマグナム」をかっ飛ばしていたところ、勢い余ってコースアウトしてしまいました。
そのコースアウトした先がマズく、マグナムが道路に走って行ってしまったんです。
そこへタイミング悪く車が来てしまい、マグナムはペシャンコ。
僕は立ち尽くしました。
しかし、僕はその店の大会のディフェンディングチャンピオン。へこんでいられません。
その翌日、すぐさま車を組み直し、再びミッキーへ。
マシンはもちろんかっとびマグナム。
今度は、セッティングをリヤーからサイドに、ローラーは安全策を採って大径アルミベアリングローラーからスタビライザーポールに変更です。
そしていよいよ再チャレンジ。
ベストラップを目指して、軽快に走り出すマシン!
よしいいぞ、第一コーナーはアウト気味から積極的に攻めるコーナリング、コーナー出口の姿勢回復も鮮やかだ。
んー次のコーナーは、若干車体が浮きながらも無理矢理ねじ伏せた感じか。
タイムは、…伸びてない。昨日のクラッシュに少しビビったセッティングをしちまったか…。
よし、一度マシンをピットインだ。
やっぱりスタビライザーは外して、12ミリベアリングローラーに変更…
…と考えていたその刹那!またしても同じ所でコースアウト!
アホみたいに、昨日と同じ方向に飛び出すマシン!そ、そっちは道路だ!そこへまた走り込んでくる車が数台!
またダメなのか、相棒…!
しかしなんとマグナムは、奇跡的に全ての車の下をすり抜け、見事に道路の反対岸まで辿り着いたのです!
やったーッ!信じてたぜ、相棒!と喜んだのも本当につかの間、マグナムは反対岸の縁石に跳ね返ってこちら側へUターンしてくる形になり、そこへ車が来てペシャンコ。
…ぐすん。
この事件がきっかけで、僕は「ぬか喜び」の意味を知り、ミニ四駆を卒業しましたとさ。
「ミニ四駆は、少年を大人にする。」by小野友樹
P.S.
その事件がきっかけか、ミッキーの軒先からコースが姿を消しました。
南明町ミニ四レーサーのみんな、本当にごめん…!