壮大な自然に囲まれているこの土地で、美女は生まれた。
春には花が豊かに咲き乱れ、夏には、稲穂が青々と風に揺れ、秋には美しい紅葉、冬には見事な銀世界が広がる。
真冬に積もった雪のじゅうたんにダイビングするのが好きだった。
人型に空いた雪を見て、ほくそ笑んだものだ。
いつか、彼氏が出来たら、二人で手をつないでダイビングするんだと、固く心に誓った。未だに叶ってはいない。
夏には田んぼでぐぁぐぁ鳴いているカエルさんたちの側を通り、咳払いして、一瞬静かにしてもらうのが好きだった。
旦那が出来たら、一緒に咳払いするのが夢だった。未だに叶ってはいない。
お土産に喜ばれる人気のお菓子、ままどおるとエキソンパイ。本当に大好きで、いつも食べていた。
ある日カレーの隠し味に使ってみたら不味かった。
それを共に味わってくれる旦那さまを貰うのが夢だった。未だに叶ってはいない。
そして美女は今、東京の空の下で思っている。
あの素晴らしい景色と空気があったからこそ、自分は美女になったのだと。
福島県郡山市。
そこは美女の生まれる土地。
・・・苦情はアトミックモンキーまで。
優しい感じで。
長沢美樹